この道四十年、しじみ漁師が魅せる技。

朝六時。爽やかな風が吹き抜ける晴天の下、船着場から次々に十三湖湖上へ出て行くしじみ漁の船。その中の一隻「宝幸丸」を操縦するのは、 しじみ漁を始めて四十年のベテラン漁師・秋田さん。いつも夫婦揃って船に乗り込み、しじみ漁へと出掛けています。

漁の開始時刻である七時が近付いてくると、湖上には一隻、また一隻と船が集まり出し、十三湖は次第に賑やかさを増していきます。そして時計の針が七時を指したその時、一隻の船が動き出したのを合図に、他の船も一斉にスタート。秋田さんもエンジン全開で目的のポイントに向け、ぐんぐんスピードを上げて行きます。時に近くを走る仲間の漁師と手を挙げて挨拶を交わしたり、時には朝の光を浴びて輝く湖面の波に大きく揺られながら進むこと十五分、秋田さんの漁場に到着です。早速、棒の先にカゴがついた「ジョレン」と呼ばれる道具を船尾から水中に降ろし、船で少しずつ曳きながら湖底のしじみをすくい取っていきます。数分後、引き上げられたジョレンのカゴの中にはしじみがぎっしり。他の魚介やまだ小さいしじみなども混ざっているため、船上にある「から落とし」機で選別を行なってから、一箱70kg分のしじみが入る規格サイズの木箱に収めていきます。この収穫作業を繰り返すこと十回。一日の規定量となる木箱二箱分、140kg相当のしじみが無事収穫されました。七時から十一時までの四時間に漁が制限されている中、秋田さんはこの日、約一時間で規定量に到達。「漁が早く終わるほどやりがいを感じる」と笑顔を見せる秋田さん。長年の経験により培われてきた腕の確かさが光った瞬間です。

漁を終え船着場に戻ると、収穫したしじみを船から軽トラックの荷台へ移し、車で数分のところにある作業場へと移動。そして再度、壊れているものがないか、殻だけのものがないかを一粒一粒手作業で選別した上で出荷準備へと入っていきます。

漁は、解禁日である四月十日から十月十五日まで続けられ、また七月から八月には、特に身が肥え色艶も美しい大粒の「岩木川河口しじみ」が旬を迎えます。大正時代から始まったという十三湖のしじみ漁。若い後継者も多く、秋田さんも先代から受け継いだバトンを息子さんへと繋ぎました。そんな漁師たちの手によって、十三湖では今日も、美味しいしじみがたくさん引き上げられています。

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採れたてのしじみを生きたままお届けする「活しじみ」は、鮮度を保つためあえて砂吐きせずにお届けしております。調理前に砂吐きをしてお使い下さい。

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[注] 冷凍しじみと活しじみは同梱できません。